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| それは1年前にはじまった... 第5話 |
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ナンシーは本気だった。 出会ってからほんの半月しかたっていないのに、 確かに本気で俺を愛してくれているようだった。 しかし、本気の度合いが強いほど、嫉妬心も強くなるようで、その後、 俺は一日最低5回は必ず電話しなければならない状況に陥った。 一回でもさぼろうものなら、「もう、捨てれられたのかと思った」だの 「となりの女と何してるの」だの、こちらが「どうしたらそんなふうな因縁が思いつくの?」 と感心するような、またはバトルロイヤルで闘ってあらぬ方向から 打撃を食らったような難癖をつけてきて、その後は泣きじゃくる、1時間もなだめる、 という俺にとって恐怖の「みそぎの時間」がやってくるのだった。 また、俺の師匠も大変な思いをしていた。 自分で言うのも何だが、ポギーかどうかは別として俺の顔はハーフ系である。 年は30代後半、一応英語とスペイン語は問題なく喋る。 そんな男が独身な分けがない、というのが店の女の子達の結論のようで、 師匠が来店するたびに、 「○○さんは独身なの?奥さんいるんでしょう?」 「女何人いるの?全部いいなさい!」 と詰問されていた。 これに対し師匠は、「プライベートはよく知りません」と汗だくの応戦をしてくれていた。 そんな師匠の応援に助けられ、俺はナンシーと3月、4月と甘い甘い週末を過ごしていた。 ここまでは天国だった。 そう5月の連休までは。 しかし、16年付き添った女房である。 俺のそんな浮ついた気持ちを見逃すほど甘くない。俺はゴールデンウイークを郊外で過ごしていた。 そこへカミサンからメールが入った。そう、すべてバレたのである。 俺が寝入ってから、すべてをチェックしていたようだ。 恐るべし我が家のCIAである。 あれだけ毎晩熟睡しているように見えながら、起きていたとは。 この時、我が家の女房が、実は忍者服部半蔵の末裔であることを忘れていたことを深く後悔した。 俺は車を走らせながら考えていた。このまま家族を守るのが当たり前だと。 しかし、理性ではそう考えても、本能が、「ナンシーを失いたくない、一生一緒に暮らしたい」 と訴えていた。どうしたらいいか答えが見つからないまま、車は我が家に到着した。 Dr.Alabangさんの投稿 それは1年前にはじまった... 第5話完 |
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