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| 6月11日 第4話 |
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毎日が楽しい日々であった。そしてよく喧嘩をする二人だった。 喧嘩するほど仲が良いの典型をいったようで私も彼女に、 「すごい喧嘩をしても二人はセパレートはだめだよ。」 「二人は日本語もタガログ語もわからないからたくさんすれ違うんだ。」 「たくさん話せば必ず理解できるから」 私たちはそんな約束をして現在もガミガミと喧嘩をしている。 彼女いわく、 「みんなは結婚してからたくさん喧嘩する。」 「だけど私たちは今してるから結婚したら喧嘩しないね」 そんな二人に思いもよらない出来事が起こる。 まぁいずれは・・・と思っていたがそれは急遽訪れた。 「お店クローズだって。」 あと2週間で帰る予定だったが台風の接近とともに彼女の店が閉店するようだ。 いつかは・・・と思っていたが。 仕事が出来ずに帰される訳ではないので彼女は台風のほうが怖いといってた。 それはそうだ、店の選択は今考えるとすばらしい。帰る前もたくさん喧嘩をした。 「もうすぐ帰るのに喧嘩はやめよう。」 それでも彼女の日本での時間がだんだんなくなっていく。 11月初旬、サヨナラパーティーが始まる。私の買ってあげたドレスを着ている。 二人で選んだものだがとってもよく似合う。 いつもより厚い化粧はちょっとイメージではないが、 そんな彼女もまた惚れ直してしまうほど・・・ いつもより短く感じた時間。 あまりまじめに仕事をしていなかったからか彼女のお客さんは最後は私だけ。 店が終わる頃、だんだん彼女の笑顔が消えていく・・・ 「やっぱり帰りたくない、たぶん今帰ったらもう2度とあなたに会えない気がする。」 英語と日本語とタガログ語で彼女はそう言った。 「何言ってる、あなたも絶対パルパロだめだよ。」 「必ず年末の休暇に会いに行くよ。それまでは毎日電話するから待っててな。」 会計を済ませてからも彼女は笑わない。 「寂しいから最後は笑ってよ」 「・・・・・」 店を出るときはいつも店の前でキスをする。 ただこの時はキスも寂しそうだった。 「アコだって寂しいよ。でもあなたがかわいそうだからアコはそんな顔しない。」 「約束でしょ。」 「タヨはセパレートない。だから大丈夫だよ。それに必ず会いに行くよ。心配ない」 突然彼女が声を出して泣き出す。 「帰りたくない!ずっと一緒にいたい!」 初めて私は声を出して泣かれた。 普段より厚い化粧は見るも無残に崩れていく。 「あらあら、だめだよ泣いたら、メイクが・・・」 それでも彼女は泣き続ける。 「後で電話する。」 「大丈夫セパレートしないよ、だから最後は笑って!アコは帰れないよ」 悪魔のようになった顔は今まで見たこともない寂しい顔だった。 こんな純粋な人を裏切るわけないだろ。 家路に着く。タクシーの中から電話した。まだ、声は震えている。 「もうだめだよ泣いたら」 「あなた、アコ帰る大丈夫みたい。本当に冷たいな」 やれやれ、こんな時に喧嘩か・・・ 「約束したでしょ会うって。毎日電話するし大丈夫だよ。」 「アコだって辛いけどすぐに会えるでしょ。1ヶ月だけだよ我慢は・・・」 「もうバハイだよ、これから寝るよ。あなたは大丈夫か?」 もう泣き止んだようだ。 「うん、大丈夫。さっきはごめんなさい、たくさん電話する」 「わかった。愛してるよ」 「アコディン。愛してるよ」 やっと泣き止んだのにまたその言葉で泣き出してしまった。 一晩するともう日本に彼女はいない。 そう思ったら私の声も危なく震えてしまうところだった。 こんな日に雨は降らないでほしい。 堪える思いはこの程度の雨では流れない・・・ 「早く寝なさい、明日は早いでしょ」 「あなたも、仕事でしょ」 「お休み」 「アコはこれからまた準備する」 「わかった。でも早くな。」 「MAHAL NA MAHAL KITA」 「MAHAL NA MAHAL DIN KITA」 お互いに切りたくない電話はもう少し続いた。 kimuさんの投稿 6月11日 第4話完 |
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