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ディナ...君を忘れない−1話
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私には、思い出の引き出しにしまう事の出来ないPnaがいる

その頃は、私と数人の友人で頻繁にPPに繰り出していた。
オキニとの別れの辛さ、数年引きずっていたがやっと和らいできた頃だった。

すっかり馴染みになったこのお店では、特にオキニを作るわけではなく、指名をするでもなく、 その時に席に付いてくれた子を相手にして楽しく飲む、これが我々のスタイルとなっていた。 PPと言ってもその当時はPnaがいるスナックと言う感じのお店。そんな田舎の小さなPPにその娘は働いていた。

「DINA」

底抜けに明るい他のPna達とは全く違う雰囲気、本当に片言だけの日本語と英語、整った顔立ちに合わない不安に押しつぶされ そうな瞳。初めて私達と同じ席に付いた日、BOXの隅にいて、ただ黙って空になったグラスに水割りを作り、 自分から話し掛けるでもなく、聞かれた事には俯き加減でポツっと答える。FTだと言うディナ、ここでやって行けるのだろうか・・・ その時には、ただそれだけ心配した程度にすぎなかった。

頻繁に友達と連れ立ってその店に行った。相変らず陽気なPna達、今夜もご機嫌な友人達。 他の席のお客さんを巻き込んで楽しく大騒ぎ。そんな時、フロアから少し死角になる店の奥の狭いウェイティングシートに 一人で俯いて座っているPnaが目に飛び込んだ。・・・・「ディナ?」

心臓を掴まれたような感覚に見舞われた、そして次の瞬間には、彼女の前に立っている私がいた。どうしてか分からないが、そこの一角だけが全く違う空間に感じた。 そこにいちゃいけない・・・とでも直感的に思ったのだろうか?

「ディナ・・」

顔を上げた彼女は、固まった笑顔を見せた。戸惑っているような、泣きそうな瞳、思わず抱きしめてあげたい、そんな気持ちになった。

「どうしたの?ひとりで」
「オキャクサン ナイデス・・・」
「そうか・・・ちょっと待って」

ママの所に行って彼女を指名した。「ディナ・・、おいで」と言って手を差し出した。

自分達のBOXへ向かう、ディナは私の身体で自分を隠すように後ろから付いてきた。「お客さん受けもパッとしないし、あの子はエクステンションしないで帰そう と思うの・・・」指名しに行った時のママの言葉が頭の中を巡った。 席に帰ると、みんなが「え?」って顔をした。友人だけではなく、騒いでいたPna達まで。

一人が耳元で言った。

「あの子いたんだ、、目立たないよねぇ〜。でどうしたの?」
「ああ、指名してきた。」

アテがディナに何か聞いている、そしてアテは私に言った。「ハロちゃん(その頃は別の呼び名だったけど)、ディナお願いします。」 「ああ・・・」とだけ答えた。「おいおい、また嵌るんじゃないだろうね」彼は前のオキニを追いかけて渡比した経緯も全部知っている。

「大丈夫・・・もう馬鹿はしないし、出来ないよ・・・」
「本当か?」
「ああ・・・」

ディナは、少しだけ離れて私の横に座った。 友人達が、代わる代わる声をかけるが相変らずポツっと俯き加減に答えるだけ。 アテや他のPnaが気遣う。何でこんな子がここにいるんだろう・・・・?(今なら絶対オーディション受からないだろうけど) 何か聞かれたり、話し掛けられたりするたびに怯えるような目をするディナ・・・私は思い切って友人に告げた。

「ちょっと二人で席替わるね」
「おい!どう言う事よ。」
「二人で愛の語らいをするんだから邪魔すんなよ〜」

笑いながら言って見た。ママに席を準備してもらって、二人で移る。アテが心配そうに見ていた。

ハロさんの投稿
ディナ...君を忘れない−1話完



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