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避暑地の森の天使−2話 バギオのナイトライフ
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ねぇ、今夜はメイの兄さんを…

招待することになっているんだ。つまり飲みに行くってこと。ナッシュ大丈夫だろ? 「大丈夫。俺は時間だけはたっぷりあるから…それよりもさ、公演をメイと散歩して来いよ。雰囲気もいいし、デートには最高だぜ」 マルポロを唾えながサングラス越しにポートに乗ってはしゃいでる子供たちを 眺めながらアドパイスをする。加藤はどうも積極的ではなく、パギオでのパカンスを 楽しもうと言う意欲が感じられない。おとなしい性格もあるのだろうが。 「メイ。公演を散歩しようよ」 と自分からアプローチすることはないのだ。まぁ…でも、それとは対照的にメイが 積極的に行動するタイプだから、いいパートナーになれるんじゃないかなぁ?と思う。 メイがブスッとしながら散歩から戻ってきた。加藤はしょぼんとしている。 楽しい会話をしながら散歩をしてニコニコしながら帰って来ると思っていた。 俺は加藤に声をかけた。

どうしたんだ?楽しく散歩して来たんだろ?

ケンカになっちゃってさ…
何が原因で?
俺。デジカメ持って来ただろ。それでメイが今まで撮った画像を見せてくれって言ったんだ
別に何の問題もないじゃん
いや、上野のフィリピン・クラブで撮った女の子の画像が残ってた…
新しいメモリー・スティックを買うか、画像を消して証拠隠滅しておけって あれほど言っておいたのにしてなかったの?呆れたな…
俺はメイに近づくと加藤の弁護を始めた。自分が初めて付添人をしたカップルがケンカをしているのに放っては置けなかったのだ。
フィリピーナが凄くヤキモチ焼きなのも知ってる。自分の店以外で遊んでた加藤を許せない気持ちも良く解る。 でもそれは結婚前の事だ。許してやってくれよ」

NASH HA! MARIPOSA DIBA? (浮気ものでしょ!)
と浮気もの呼ばわりされた加藤。俺は感情が爆発しそうになるが、大きく深呼吸してゆっくり喋り始めた。
待ってくれ。俺は独身だけど結婚したら浮気はしないって誓える。加藤が46年間も女なしで生きて来たと思う? 女に相手にされない男と結婚する気になれないだろ? それに結婚には女性の経験も大事だと思わない?
ケイケン? ナニ? イミ ワカラナイ
EXPERIENCE
オォ! ワカル
だったら、結婚式でリセットしろよ。2人で、いや、メアリーもそう、3人で新しいパミリア(家族)を作るんだ! みんなで話をすれば問題はなくなるよ。
徐々に落ち着きを取り戻したメイは、19年間夫婦だった友達の話をした。 その友達は、夫の浮気が原因で離婚したという。だから余計に神経質になっていたのだ。

夕食は市場で…

食材を購入して自分たちで作って食べることになった。みんなのアトについて市場に入る。 肉や魚が売られているブースに入ると鼻が曲がるほどの匂いが襲いかかる。 幼い頃に鮮魚店で嗅いだ魚の匂いが、トラウマとなっていて強烈な吐き気を催す。 俺はそれで魚アレルギーになったようなものだ。匂いに敏感な体質に後悔してしまう。

あの匂いのおかげで食欲が減退した。夕食は一口も口につけなかった。 コーラを飲んでエネルギーを補い、ベランダでマルボロを吸う。 涼しい高原の風を受けながらみんなが食事を終えるのを待った。 すると加藤が急に飲みに行くのをやめると言い出した。 メイとあれだけケンカした後では行けないという。それもそうだな。今晩は中止だなぁと考えていると…

NASH!! TAYO NA! (行こうぜ!)
ロナウドが声をかけて来た。
SANDALI LANG! (ちょっと待ってくれ)
俺はそう言うとTシャツの上にアロハシャツをハオリ、髪の毛を整えた。 そして革靴を履きポケットの上から財布を確認して外に出た。 外に出るとトヨタの4WDがロータリーに停車した。 ロナウドは、昼間の観光に付き合ってくれた友人のトニーと待ち合わせをしているという。 俺がフィリピーノと遊びに行くのは、これが初めてではない。 一番最初に付き合った彼女の妹のダンナ、お気に入りの女の子の従兄弟は、フィリピン・パブの従業員。 奴らと誕生日パーティーで盛り上がったこともあった。
キナバハン アコ コンティ シグロ (ちょっと動揺してるかも)
NASH OKEY LANG!! WALANG PROBLEM! POGI TYO HA!
(大丈夫だよ。問題ない、俺たちカッコいいんだから!)
アハハハハハハ!!!!
そんな話をしているうちに気が楽になった。それにしてもトニーが来るのが遅い。 自分が約束した訳ではないので、彼が遅刻しているのか、こっちが早く来ているのか解らない。 フィリピン人と待ち合わせをするには、待たされることを覚悟しないといけない。そんな友人の言葉が頭を過ぎる。 俺は仕事の時は時間に厳しい。自分の部下が遅れて来た場合は、厳しく注意を与えて次からは重要な仕事は任せない。 でもプライベートは違う。待たすよりも待たされる方を選ぶようにしている。 少し早めに待ち合わせ場所に行き、考え事をするが好きなのである。 ただそれは待ち合わせ場所が、禁煙ではないことが第一条件であり、もし禁煙だった場合は、遅刻して来た者は大目玉を食らうことになる。 トニーが現れた。くわえていたマルボロを靴で揉み消す。
How do you do. Nice to meet you.
My name is NASH BRIDGES , Please call me NASH.
握手をしながら挨拶をする。彼とは昼間一緒にいたが話はしていない。
SIYA AY AKIN MAGA MAY NANG NINONG.
(彼は俺の妹の付添任だ)
俺は、ロナウドにそう紹介された。
NASH, ILAN TAON KA NA? KAILAN MO BA KITA KAARAWAN?
(何歳なの?誕生日はいつ?)
TATLOPU, DALAWA, 11.12.1968
(1968年11月21日、32歳)
Oo! AKO RIN, NOBYEMBRE 1968!!
(1968年俺も同じ!)
そんな話をしながら車は走り、まずはフォーク・パブに到着した。 「いつになったらババエの話が出てくるんだよっ!」と怒っている声が聞こえてくるが、慌てない、慌てない。 そればかりが体験記を読む目的ではあまりにも寂しい。初心者に少しでもフィリピンのことを知って欲しいと思う著者の心づかいである。 ま、スケベな話を読んで興奮したいのなら、官能小説でも読んでほしい。ここは読み飛ばして頂いて結構。

Nashさんの投稿
避暑地の森の天使−2話 バギオのナイトライフ 完

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